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誉田駅のつもりということで・・・。
本日は、先日発売されました カトー E233系京葉線の基本・付属編成の分割・併合面をTNカプラー化するというネタをご紹介します。
作例は京葉線用ですが、分割併合(編成分割点)がある 中央線用、東海道本線用でも応用ができると思います。
おことわり
失敗しても責任は負いません。また、メーカー様、JR東日本様とも関係がございませんのでご注意下さい。

カトー E233系 京葉線です。5000番台のうち一部編成は6両+4両となっています。で、カトーカプラーで基本編成と付属編成を連結するとこんな感じです。253系「成田エクスプレス」や221系の時代:1990年頃から伝統のカトーカプラーです。アーノルドカプラーに比べればはるかに実感的になりました。
実は、カトーカプラーの場合、連結器本体のストッパーを外して前に出してから連結しています。このため、案外連結面間が広くなっています。
トミックスのTNカプラーもよく似たような性格の連結器ですが、連結器本体の首振り機能を工夫して、連結面間が狭くできるところが大きく異なります。今回は、カトーカプラーをTNカプラーに交換して見栄えをよくしようという話です。

では、早速分解です。遮光板・運転台ユニット、スカート、台車を外します。

そのままTNカプラーを床板に接着してもよさそうですが、取り付け位置が低すぎて「だらしなく」なってしまいます。で、今回は、TNカプラーを取り付ける部分の床板をくり抜いてその部分にカプラーをはめ込む構造として「だらしなさ」を解消させることとします。
床板を切り取る前に、TNカプラーの上面の形をした治具を作ります。現物あわせでも十分です。作例の場合、0.5mm厚のプラ板を使用しました。
編成ものの場合、最低でも2ヶ改造をする必要がありますので、同じサイズの穴を開ける時には効率が大幅にアップします。治具を作る時間が・・・と思われがちですが、「急がば回れ」。目分量でやると仕上がりにばらつきができてしまいます。

床板を先ほどの治具を作って切り取ります。そして、床板の上に「ふさぎ板」を貼り付けます。
こちらも現物あわせで結構ですが、遮光板・運転台ユニットと支障しないようにふさぎ板を少し切ってやる必要があります。

ふさぎ板を接着します。プラ系の接着剤で結構です。

さて、ふさぎ板の部分にTNカプラーをネジ止めするというのが趣旨ですが、そのままではカプラー位置が高くなりすぎてしまいます(ネジ止めしようとしたら実は高すぎることがわかりました)。
そこで、くり抜いた部分の大きさにプラ板で「高さ調整用スペーサー」を貼り付けます。
床板が0.7mm厚、スペーサーは0.5mm厚ですので、差し引き床板面から0.2mm凹ませた格好になります。
プラ板の厚さを変えることによって連結面の高さが変わります。
実はここがこの工作のカギです。
現物合わせ的な工法ですが、車両によって微調整ができるのが強みです。

接着剤が乾けば、TNカプラーをネジ止めします。
側面の取り付け足はカットして下さい。
両面テープやゴム系接着剤でもよさそうですが、力がかかる部分であることや万が一破損したときに容易に交換できるようにネジ止めとしています。
ネジは 1.4mm×3mmとしています。
TNカプラーの穴にネジを通しています。
接着位置が決まったら、1.2mmのドリルで仮穴を開けます。そして、1.4mmのネジを通して締めれば「タップ立て」(ネジ山を作ること)の必要はありません。
高さ方向や左右方向はネジの締め方である程度調整できます。

これで、TN化はできあがりです。床板面からTNカプラー取付面を差し引きわずか0.2mm凹ませただけなのですが、直接取り付けたときに比べれば、連結器が低すぎることによる「だらしなさ」がなくなりました。
なお、カプラーは「JC6323」(黒色・電連二段・スプリングタイプ)を使用しました。
JR東日本の新系列電車の床下は濃灰色であり、黒色を使うか灰色を使うか悩みどころです。
今回は、灰色が案外濃いために黒色を使用しました。
(郡山総合車両センターで検査を受けたE531系の床下はライトグレーです。余談ですが・・・)
黒色のTNカプラーは、0331、JC43あたりでも使えます。
熱心なファンの方は各自研究して下さい。
ちなみに、E233系の場合、電連は一段ですので、二段のJC6323は一段切り取って下さい。

連結面です。カトーカプラーに比べて連結面が狭くなっています。
ちなみに、これで半径280mmのカーブは通過しました。
前面のステップ部が緩やかに後退角が付いているので案外曲がれそうです。
※近江鉄道の801系の連結面を少し角取りした効果が実は絶大であるということがよくわかります。

せっかくなので、ついでにクーラーや乗務員扉に墨入れをしてみましょう。
「墨入れ」とは、「影」を強調する表現方法です。
影を強調することにより、立体感を演出できます。
今回は、タミヤの「墨入れ塗料ブラック」を使用しました。
あらかじめ墨入れに適した濃度に薄めたエナメル塗料です。
薄め液も従来からの「X-20」を使用できますので、何かと使い勝手のよい商品です。

クーラーのルーバー部分に「墨入れ塗料ブラック」を付属の筆で流し込みます。
おもしろいように流れてくれます。
少々はみ出ても大丈夫です。
※かといって、必要のない部分にまで流すとあとが大変ですのでほどほどに。

はみ出た部分は、薄め液「X-20」でふき取ります。
綿棒に薄め液を取ってふき取ると、隅の部分は黒が残って立体感が演出できます。
乗務員扉も同じようにしましょう。

墨入れ前後です。手前が墨入れ後です。ファンの羽根や網がよく目立ちます。

最後に・・・。
ドアの当たりゴムに色入れをします。
こちらは「影」ではなく、「ゴム」の表現です。
0.05mmの黒のサインペンを使って当たりゴムの溝をサッとなでるとできあがりです。
※作例では、Tooの「コピックマルチライナー ブラック 0.05mm」を使用しました。耐水性なのが売り物です。画材店やマンガ用品店で販売されています。
これでできあがりです。所要時間約半日。
近郊形・通勤形のE231系、313系や223系・225系あたりにも応用ができようかと思います。
というわけで、E233系は下記のページで販売中です。
■京葉線用です。
(N) 10-862 E233系5000番台 京葉線 6両基本セット
(N) 10-863 E233系5000番台 京葉線 4両増結セット
■中央線用です。
(N) 10-801 E233系 中央線 3両基本セット
(N) 10-802 E233系 中央線 3両増結セットA
(N) 10-803 E233系 中央線 4両増結セットB
作例のTNカプラーはこちらです。
(N) JC6323 密連形TNカプラー (SP・黒・電連二段)
墨入れ塗料です。
87131 墨入れ塗料 ブラック
それでは、ごゆっくりとお買い物をお楽しみ下さい。